誤嚥性肺炎とは?  症状や原因、予防や治療方法は?

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こんにちは、ふみーずステディです。

東京都江戸川区にて現役在宅ケアマネージャーとして単独居宅支援事業にて勤務しております。

 

今回は”誤嚥性肺炎”についてご説明したいと思います。

その前に『誤嚥(ごえん)』とはあまり聞き慣れない言葉だと思いますが、どのような意味なのでしょうか?

『誤嚥』とは、飲食物や唾液(だえき)を誤って食道ではなく気道に飲み込んでしまうことです。は食物や唾液は、通常時に口腔から咽頭と食道を経て胃へ送り込まれます。

しかしながら飲食物などが、誤って喉頭と気管に入ってしまう状態を誤嚥と呼びます。誤嚥は今回のテーマである”誤嚥性肺炎”の原因にもなります。

 

1. 誤嚥性肺炎の概要

誤嚥性肺炎は、食べ物や飲み物、口腔や咽頭の分泌物などが気管内に入ることで起こる疾患です。高齢者の肺炎の70%以上が、誤嚥に関係しているといわれます。

 

 

2. 主な症状

●食事中にむせる、喉がいつもゴロゴロしている、唾液が飲み込めない、食事に時間がかかる、色のついた粘り気のある痰が出るなど。

●高齢者では、発熱、咳、痰などの肺炎の主症状を訴えないことがあります。

●なんとなく元気がない、食欲がない、倦怠感があるといった症状がみられます。

●酸素低下が起こり、重症の呼吸不全になることもあります。

●再発を繰り返します。

 

3. 原因

●加齢に伴う唾液分泌量の減少、嚥下機能の低下、免疫力の低下します。

●むせや咳込みなどで、食べ物を食道でなく気管に入れてしまいます(顕性誤嚥)。

●無意識のうちに細菌を含んだ唾液などを気管に飲み込んでしまいます(不顕性誤嚥)。

●嘔吐により胃の内容物が逆流して気管内に入ります。

 

4. 予防と治療

食事は座位で行います。ベッドから移動できない場合は、ベッドの背を30~60度起こしましょう。

経管栄養の場合は栄養剤の流入速度を遅くし、流入後は30分から1時間くらい座位を保ちましょう。

●歯垢の除去を含めた口腔ケアを毎食後行いましょう。

●便秘の改善や腸の蠕動運動を促す運動を行い、腸の状態を良好に保ちましょう。

●規則正しい生活を送り、日中の心身の覚醒状態を向上させましょう。

●意識的に深呼吸をしたり、大きな咳をして痰を出すなどの訓練をしましょう。

●抗菌薬の投与を行いましょう。

 

正しい姿勢

 

 

5. ご家族、支援者(ケアマネなど)が把握するべきポイント

●食事の状態 ➡ むせる、咳き込むなどの食生活に生じる支障はありませんか? やや前屈姿勢を取るなど、食事をする姿勢を本人と介助者間で共通認識を持っておきましょう。

●食事内容 ➡ 嚥下しやすいように食品や形態を工夫していますか? 嚥下機能の状態によって、ミキサー食、刻み食、ペースト食、ゼリー状やとろみを付けるなど工夫しましょう。

●口腔内の状態 ➡ 口腔内の細菌を減らすため、うがい、歯磨き、入れ歯の洗浄など清潔の保持をしましょう。

●嚥下機能の向上 ➡ 舌・歯肉などを歯ブラシやスポンジなどで刺激することで唾液の分泌促進や嚥下反射を誘発し、飲み込みを良好にします。

●身体状態 ➡ 元気がない、食欲がないなどの変化はありませんか?

●就寝時の姿勢保持を確認 ➡ 頭の位置を約30度程度高く保つことで胃液などの逆流を防止しましょう。

●誘発要因となる疾患の既往症 ➡ 脳梗塞後遺症やアルツハイマー型認知症などの疾患など、誤嚥を誘発する疾患はありませんか?

 

 

6. 今日のまとめ

通常は食べ物を飲み込むと食道を通って胃に流入しますが、嚥下機能の低下などの要因によって誤って気管を通り肺に入ってしまうと”誤嚥性肺炎”を誘発してしまいます。食事の姿勢や飲み込む機能を維持できるよう日常的にケア・メンテナンスが大切です。

高齢者の方の生活を支える上で状況を把握してアドバイスできるよう勉強しましょう。

 

今日はこれまで。

引き続きよろしくどーぞ!

 

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