こんにちは、ふみーずステディです。
東京都江戸川区にて現役在宅ケアマネージャーとして単独居宅支援事業にて勤務しております。
今回は”床ずれ(褥瘡)”についてご説明したいと思います。
一般的には『床ずれ』と呼ばれていますが、専門用語では『褥瘡(じょくそう)』といいます。
皮膚に体重などの圧力が加わり、血流が滞り赤みを帯びたり、皮膚が傷のようになってしまったり、悪化すると皮下組織まで削れてしまうこともあります。
1. 床ずれ(褥瘡)の概要
寝たきりなどで自力での体位変換が難しくなると、同じ部位ばかりに体重がかかって褥瘡が発症しやすくなります。
同じ部位に長時間の圧迫が加わらないように、一定時間ごとに体位変換できる体制をつくりましょう。
2. 主な症状
●骨が出っ張っていて、寝ていて当たりやすいところに発症します。
●皮膚が赤くなって、水泡となります。
●水泡が破れてただれ、浸出液が出てきて、潰瘍(皮膚の欠損)になります。
●さらに悪化してしまうと、傷口が深く広がり、骨が露出する場合があります。
3. 原因
●床ずれ(褥瘡)の発生要因は、大別すると以下の3つになります。それぞれ相互に影響します。
【全身的要因】
低栄養、脱水、やせている、浮腫(むくみ)、骨突出、日常生活動作の低下、骨粗鬆症、糖尿病、認知症など床ずれを起こしやすい基礎疾患があります。
【局所的要因】
皮膚の弾力や外からの刺激に対する抵抗力の低下、摩擦・汗・尿などによる皮膚の汚染、皮膚疾患などがあります。
【社会的要因】
介護力や設備・財源の不足、保健医療福祉制度やサービスなどの情報・利用の不足、褥瘡予防の知識・スキル・体制整備の不足などがあります。
4. 治療方法
●体位変換(原則として2時間おきがよしとされる)を行います。
●圧迫やシーツのシワを除去します。
●症状に合わせてエアーマットレスなどの体圧分散寝具を適切に利用します。
●栄養状態を改善し、血清アルブミン、ヘモグロビンの数値を適正に確保します。
●基礎疾患をコントロールします。
●患部の状態により、ドレッシング材(被覆材)を貼って傷を保護したり、軟膏を塗ります。
5. ご家族、支援者(ケアマネなど)が把握するべきポイント
●褥瘡の程度 ➡ 急性期かどうか、患部の様子を把握します。
●原因 ➡ 寝たきりの原因となる基礎疾患や背景はなにか考察します。
●体位変換 ➡ 寝返り動作はご自身でできるか確認します。
自分で寝返りが難しい場合は、介助により時間を決めて体位変換(原則として2時間おき)を行うようにしましょう。
離床できるのであれば寝床から離れた生活を習慣化します。
●車椅子 ➡ 長時間座ることが習慣化し、持続的に体重による圧迫が発生していないか確認します。
●低栄養 ➡ 嚥下障害や食欲不振などによる低栄養状態ではないか把握します。
高タンパク、高カロリー、高ビタミンの栄養補給ができるような食事を確保しましょう。
●患部を清潔を保持 ➡ 褥瘡の段階に合わせた処置・対応と予防のためのテープ(ポリウレタンフィルムドレッシング材)や滑り機能付きのドレッシング材を貼るなどし、再発防止につなげます。
6. 今日のまとめ
床ずれ(褥瘡)は一度なってしまうとなかなか治りにくい性質があります。
体圧がかかりやすい部位(下の図参照)は定期的に介助者が観察して赤みがないか確認するようにしましょう。
赤みが発生してからあっと言うまに潰瘍に至りますので予防や早期に対処することが肝要です。
今日はこれまで。
引き続きよろしくどーぞ!