認知症の基礎知識

 

 

【結論】認知症は70種類以上あり、約半数が「アルツハイマー型」です。家族がまず直面するのは記憶障害そのものより、徘徊・昼夜逆転・目を離せない不安といった周辺症状(BPSD)。現役ケアマネとして在宅のご家族から最も多く相談を受けるのも、この「見守りの負担」です。本記事では認知症の種類と症状を整理したうえで、在宅でできる見守りの工夫まで解説します。

こんにちは、現役ケアマネジャーのふみーずです。

東京都内にて在宅ケアマネジャーとして居宅支援事業所で勤務しております。

 

今回は【認知症の基礎知識】についてご説明していきます。

『日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究』の推計では、2020年の65歳以上の高齢者(約3588万人)の認知症有病率は16.7%、約602万人となっており、6人に1人程度が認知症有病者と言えます。

10年後の2030年には、日本人の総人口が減少する一方で、65歳以上の人口が約3715万人に到達します。

そのうち744万人が認知症有病者になるという予測が出ています。約20%、5人に1人の割合で認知症が発症する計算となります。

 

1. 症状と原因

●認知症とは、後天的な脳の障害により、一度発達していた知能が日常生活を送ることが困難なほどに低下した状態になってしまうことです。

70種類ほどある認知症のうちアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症が多く、三代認知症とされています。

【症状】

・脳障害が原因で記憶障害、言語機能、見当識、視空間機能、実行機能に現れる症状を認知症の中核症状といいます。

認知症の人に必ず見られる症状です。

・心理的な要因が原因で示す症状を周辺症状(BPSD)といいます。

人によって現れたり現れなかったりする症状です。

介護する家族にとっては深刻な問題になるのがこの周辺症状です。

・周辺症状には、心理症状として抑うつ、不安、焦燥、幻覚、妄想などがあり、行動症状として昼夜逆転、徘徊、介護への抵抗、暴言などがあります。

【原因】

・神経変性(神経細胞が徐々に死んでいくこと)と、それ以外に分けられます。

神経変性が原因の認知症にはアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、ピック病があります。

・神経変性以外の原因で起こる認知症には脳血管性認知症があります。

 

2. 加齢と認知症

●認知症は壮年期までは少ないのですが、加齢とともに増加していきます。

認知症の有病率は65歳〜69歳で3.3%ですが、75歳〜79歳で13.1%、80歳〜84歳で20.5%、85歳以上では39.5%に上ります(平成24年厚生労働省補助事業)。

●日本の65歳以上の高齢者は約3000万人ですが、約15%、約462万人が認知症と推計されています(平成24年厚生労働省補助事業)。

●高齢になるほど、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症など複数の認知症が混ざった混合型認知症が増えてきます。

 

認知症の種類によるグラフ

 

1位:アルツハイマー型認知症
約50%
2位:脳血管性認知症
約20%
2位:脳血管性認知症
約20%
4位:その他
約10%0%他 約10%

 

中核症状と周辺症状

【中核症状】

機能障害:経験したものを忘れてしまいます。

見当識障害:時間や場所、人物を正しく認識できません。

実行機能障害:行動のための段取りが行えないので実行できません。

言語機能障害(失語症):『聞く・話す・読む・書く』などの機能が失われます。

視空間機能障害(失認・失行):感覚器障害はありませんが、周囲の状況が認識できません(失認)。

今までできていたことが急にできなくなってしまいます(失行)。

【周辺症状(BPSD)】

抑うつ:気分が落ち込んだり、興味や喜びがなくなってしまいます。

不安・焦燥:本人の認識と現実との違いに混乱します。

幻覚:実際にはない音が聞こえたり、ない映像が見えたりします。

妄想:事実とは違うことを真実と信じ込んでしまいます。

暴言:大声をあげてしまいます。

徘徊:一見無目的に歩き回ってしまいます。

介護への抵抗:介護者からの働きかけを拒んだり、抵抗したりします。

昼夜逆転:日中に寝て、夜間に活動的になります。

 

[現場の視点:ケアマネが見てきた"在宅介護のリアル"]

認知症の在宅介護がなぜ大変か。それは「外部サービスを使えば解決」とは限らないからです。現役ケアマネとして担当するご家庭でも、こんなケースは珍しくありません。

  • 外出は好きなのに、帰り道がわからなくなる(散歩のつもりが行方不明に)
  • デイサービスを「行きたくない」と拒否する
  • ヘルパーの訪問を「他人を家に入れたくない」と受け入れない
  • ショートステイを嫌がり、家族が休めない
  • 夜間にトイレで失敗し、その都度起こされて家族が眠れない
  • 買い物に行くと同じ物を何度も買ってくる(記憶障害+金銭管理の問題)

つまり、「プロに預ければ楽になる」が通用せず、家族が24時間抱え込まざるを得ない——これが認知症介護の本当の負担です。だからこそ現場でお伝えするのは、「人の目だけで見張るのは不可能。"道具で見守りを分担する"発想に切り替えましょう」ということ。介護者が倒れてしまっては在宅は続きません。

在宅での見守りを軽くする具体策はこちら:

よくある質問(認知症と在宅の見守り)

Q1. 夜間の徘徊が心配です。家族が寝ている間どう見守れば?
A. 人が常時起きて見張るのは現実的ではありません。動きを検知して通知するセンサーや見守りカメラの活用が現実的です。設置場所のコツは見守りカメラの記事で解説しています。

Q2. 認知症本人がカメラやGPSを嫌がりませんか?
A.「見張り」と感じさせない設置場所・伝え方が鍵です。靴に仕込むGPSなど、本人が意識しないタイプもあります。

Q3. 認知症は何科を受診すればいい?
A. もの忘れ外来・精神科・脳神経内科が中心です。かかりつけ医からの紹介でも構いません。早期発見で進行を遅らせられます。

Q4. 要介護認定を受けるとどんな見守り支援が使える?
A. ケアマネによるケアプラン作成のうえ、デイサービス・ショートステイ・福祉用具などを組み合わせられます。なお自治体によっては認知症高齢者向けのGPS機器貸与などの独自サービスもあります(内容・条件は自治体ごとに異なります)。

3. 今日のまとめ

認知症といっても様々な種類や原因からなる認知症が存在し、症状も多岐に渡ります。

認知症を予防するには、生活習慣病を予防すること、適度な運動を取り入れること、達成感を持てるような趣味などを持つこと、他者と交流することなどが有効のようです。

また認知症は早期発見することによって、進行を遅らせることが可能なので周囲の方々が認知症を理解して、症状が現れたなら、診察してもらうよう促すことも大切です。

 

今日はこれまで。

引き続きよろしくどーぞ!

 

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