こんにちは、ふみーずステディです。
前回の【新規訪問介護事業所 開設準備 簡単マーケティング術①】では新規に訪問介護事業所を開設検討していきたいが、『いったいどこに開設すれば成功するのだろう?』という疑問を解消するために具体的に5つの調査項目を江戸川区の例でご紹介いたしました。
江戸川区内の候補地ごとの人口や事業所数データのリンクです。
【調査する数値データは候補地3キロ圏内の以下の項目です】
①居宅支援事業所数
②訪問介護事業所数
③後期高齢者人口
④20歳〜69歳人口
これら4つの数値を算出してから
⑤候補地の駅名
を選定いたします。
②は競合数なので数が少ない地域が好ましい、①③④はそれぞれ営業先、利用者数、職員数に比例するので数が多い地域が好ましいことになります。
1. データの活用
それでは候補地を絞っていきたいと思います。
潜在利用者数
③後期高齢者人口を②訪問介護事業所数で割ります。
例えば小岩では・・・
③42,053名÷②143 = 1事業所平均294名となります。
これを各開設候補駅で計算します。そして順位づけをします。
順位 | 駅名 | 1事業所平均後期高齢者数(名) | ③÷② | ① |
1位 | 西葛西 | 378 | 28,357÷75 | 58 |
2位 | 平井 | 345 | 54,907÷159 | 124 |
3位 | 船堀 | 338 | 44,296÷131 | 94 |
4位 | 小岩 | 294 | 42,053÷143 | 122 |
5位 | 葛西 | 262 | 26,752÷102 | 76 |
*駅から半径3キロ圏内の人口および事業所数
後期高齢者人口を訪問介護事業所数で割り振った場合、西葛西駅(3キロ圏内)の訪問介護事業所が平均利用者数が最多となります。したがって5つの候補地の中で一番利用者を獲得しやすい地域は西葛西駅エリアという結論になります。
1位の西葛西と5位の葛西では378名-262名=116名の差異、144.3%と約1.5倍の差となります。非常に大きな差ですね。
西葛西と葛西では一駅しか離れていませんが、西葛西の方が利用者の獲得において1.5倍程度有利になると予測できます。
潜在職員数
次に潜在職員数の計算をします。
順位 | 駅名 | 1事業所平均20-69歳人口(名) | ③÷② | ① |
1位 | 西葛西 | 3,305 | 247,902÷75 | 58 |
2位 | 葛西 | 2,725 | 278,031÷102 | 76 |
3位 | 船堀 | 2,390 | 313,144÷131 | 94 |
4位 | 平井 | 2,019 | 321,148÷159 | 124 |
5位 | 小岩 | 1,655 | 236,712÷143 | 122 |
20-69歳人口を訪問介護時事業所数で割り振ると上のリスト結果となります。1位の西葛西駅、5位の小岩駅では3,305−1,655=1,650の差異です。199.7%で約2倍の差になります。
1位と5位の差ですが、潜在利用者の数値以上に差が広がっています。西葛西駅と小岩駅を比べると職員の採用が圧倒的に有利になると予測できます。
その他要因
後期高齢者人口と20歳〜69歳の人口のランキング結果を見る限りでは【西葛西駅】が1位となり開設するにはとても有利な分析結果となりました。これで西葛西駅周辺に開設で決まり!!と言いたいところですが、地理的にはどうでしょうか??
グーグルマップにて西葛西駅周辺を見てみましょう。西に500メートル程のところに荒川があります。西葛西駅3キロ圏内の人口データを使って比較していましたが、川向こうの江東区南砂町の人口も含まれた人口データということがわかるでしょう。
2. 今日のまとめ
利用者獲得のための営業対象者数(居宅支援事業所数)、潜在的職員数がより密集している地域で開設することが、訪問介護事業所を成功させる根拠となることがわかりました。
しかしながら地理的に川で分断される地域、または坂や山などが多い地域では半径3キロ圏内であっても商圏外の可能性が高いので川や勾配が多い地域は開設を避けた方が良いかもしれません。
江戸川区に関しては荒川や江戸川といった大きな川に隣接した自治体なので川の影響を受けない地域で開設するという選択肢はほぼありません。
西葛西駅周辺で開設する場合、南北や東エリアに営業や採用エリアを絞る戦略と割り切って開設することも検討できます。
●3キロ圏内に後期高齢者人口や20〜69歳人口が多い地域(他と比較すること)
●川や山の影響が少ない地域(地理を確認すること)
●利用者100名、サ責3名(管理者含む)、ヘルパー20名が規模が見込める地域(2年以内に構築できる計画が◎)