こんにちは、ふみーずステディです。
東京都江戸川区にて現役在宅ケアマネージャーとして単独居宅支援事業にて勤務しております。
今回は”アルコール依存症”について記事にいたします。
厚生労働省の2008年の調査によると日本人の飲酒率は、男性が83.1%、女性60.9%とのことです。飲酒率とは「1年以内に1回以上飲酒した人の割合」と定義しているようです。
厚労省が発表する健康増進法に基づき策定された健康日本21では、アルコール依存症の発症リスクが少ない「節度ある適度な飲酒」とは、男性の場合、純アルコール量換算で、1日20g以下。
これはビールで500ml、日本酒なら1合弱、25度焼酎なら100ml、ワイン2杯程度に相当するそうです。
厚労省の健康日本21のリンクです。
1. アルコール依存症の概要
アルコール依存症の患者は、自分の意思で飲酒をコントロールできません。
お酒の飲み方(飲む量、飲むタイミング、飲む状況)を自制できない状態と言えます。
飲むことがよくないことだとわかっていても、脳に異常が起きているので飲まずにはいられない状態です。
アルコール依存症は患者さん本人の意思の弱さによって起きるものではなく、治療が必要な病気です。
治療・回復の方法は断酒以外にありませんので、専門的治療と同時に自助グループへの参加など、本人の断酒への自覚を促します。
2. 主な症状
●脅迫的飲酒:自分の意思でコントロールできずに、酩酊するまで飲んでしまいます。
●脅迫的飲酒が進むと、飲酒し続ける連続飲酒発作が起こることがあります。
●症状が進むと、限界まで飲酒→断酒→回復→飲酒を繰り返す場合があります。
●内臓疾患を発症したり、社会的・経済的問題を起こします。
●離脱(禁断)症状:体内のアルコールが減少し始めると出てくる症状で、軽度のものは頭痛・不眠・イライラ感・発汗・震えなどが発症します。
重度になると、振戦・せん妄が起こり、妄想・幻覚・幻聴、失見当識、興奮、発熱、ピン脈など生じます。
3. 原因
●多量飲酒によりアルコール依存症に発展しますが、多量飲酒者が全てアルコール依存症になるわけではありません。
●原因の5〜6割りが遺伝要因、残りは環境要因と推定されています。
●遺伝要因:アルコール依存症の親をもつ人では、アルコール依存症になる危険性が高くなります。
飲酒しても顔が赤くならずに(アルコールの代謝過程でできるアセトアルデヒドの参加能力が高い)、お酒に強い人がアルコール依存症になります。
4. 治療方法
●依存症状を改善するための断酒が基本となります。
早期には飲酒をスムーズに行うための薬物療法を行うことがあります。
●離脱症状には、入院による薬物療法を行います。
●断酒の自助グループに参加して、仲間と一緒に断酒を目指します。
5. ご家族、支援者(ケアマネなど)が把握するべきポイント
●生活環境の変化 ➡ 家族の死や社会的地位の損失など、生活意欲低下に伴う飲酒のきっかけなどの変化があるか確認しましょう。
●離脱(禁断)症状の有無と出現の頻度 ➡ 手の震えや悪寒、寝汗、イライラ感、不安、焦燥感、睡眠障害などの症状を確認します。
●飲酒できる環境 ➡ 家族や関係者の協力を得て、外出の機会を作り、趣味の時間を持って飲酒できる環境をなくしていきましょう。
●合併症についての理解 ➡ 本人と家族に二次疾患の理解をしてもらいます。
そして治療を目的とした生活習慣の見直しを行います。
*アルコール依存症の二次疾患:アルコールによる栄養障害や代謝の異常から、アルコール性肝障害、胃・十二指腸潰瘍、糖尿病、アルコール性認知症、アルコール性大脳委縮症などを発症することがあります。
●専門家へ受診 ➡ 自己コントロールによる改善は極めて困難です。
専門的な治療が必要であり、医者との連携は不可欠と言えるでしょう。
6. 今日のまとめ
アルコール依存症を自分の意思だけで克服することは難しく、ご家族や周囲の人の協力、医療機関との連携を欠かすことができません。
アツコール依存症は病気であると認識した上で環境の整備や治療よって本人を支援していくことが肝要です。
今日はここまで。
引き続きよろしくどーぞ!
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