こんにちは、ふみーずステディです。
東京都江戸川区にて現役在宅ケアマネージャーとして単独居宅支援事業にて勤務しております。
今回は【脳血管性認知症】についてご説明していきます。
『日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究』の推計では、2020年の65歳以上の高齢者(約3588万人)の認知症有病率は16.7%、約602万人となっており、6人に1人程度が認知症有病者と言えます。
アルツハイマー型認知症に続いて多いのが、脳血管性認知症とレビー小体型認知症です。
脳血管性認知症は、60歳以上の男性に多く、急性的に発症します。
一方、アルツハイマー型認知症は初老期から高齢までの女性に多いという特徴があります。
1. 脳血管性認知症の概要
脳血管性認知症は、まだら認知症とも言われています。
アルツハイマー型認知症とは異なり、記憶力や他の能力の低下は部分的です。
生活習慣病が基礎疾患なので、生活習慣の配膳を図り、再発防止に務める必要があります。
2. 主な症状
●初期には、めまい、不眠や頭痛、耳鳴りなどの自覚症状を訴えます。
●記憶力・計算力が低下し、自発性・決断力が弱まり、作業能力も低下します。
●感情が不安定になり、突然泣き出したり笑ったりします。
●物忘れや計算ができなくても判断力や人格は保たれていたり、1日のうちでも状態が異なったりすることから、まだら認知症とも言われています。
●神経症状として、言語障害、歩行障害、嚥下障害などが見られます。
3. 原因
●脳血管障害(脳梗塞や脳内出血など)によって脳の血管が詰まったり出血したりして脳細胞に酸素が送られなくなり、神経細胞が死んでしまうことにより起こります。
●高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が、基礎疾患となります。
4. 治療方法
●高血圧、糖尿病などの基礎疾患を治療します。
●脳の血流を改善する薬や、血管を拡張する薬を服用します。
5. 経過
●障害の重傷度や障害を受けた場所・範囲により、経過が異なります。
●良くなったり悪くなったりを繰り返しながら進行します(階段状増悪)。
6. ご家族、支援者(ケアマネなど)が把握するべきポイント
●医療受診の有無や進行状況の把握 ➡ 認知症の診断の有無、本人の認識の程度や受診の頻度、服薬の状況確認をします。
主治医からの情報提供を受けて、通院に介助が必要であるか、付き添い者は医師からの説明が理解できるかなどを確認します。
●症状による日常生活への支障 ➡ 感情失禁、抑うつ、言語障害、歩行障害、実行機能障害、脳血管障害発症による麻痺などの後遺症はありませんか。
●既往症の有無 ➡ 高血圧症、糖尿病、脂質異常症、などの持病はないでしょうか。
脳卒中の再発防止のために、既往症を確認します。
●脳血管障害の再発防止 ➡ 生活習慣の改善、定期的な受診、適切な服薬などによる身体状態の安定を図ります。
7. 今日のまとめ
脳血管性認知症は、生活習慣病である基礎疾患を予防することによって防げる認知症です。
脳血管性認知症が発症してしまった場合は、脳梗塞などの基礎疾患の再発防止のための投薬、高血圧症・糖尿病・脂質異常症の薬物療法を行うことが肝要です。
今日はこれまで。
引き続きよろしくどーぞ!
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