こんにちは、ふみーずステディです。
東京都江戸川区にて現役在宅ケアマネージャーとして単独居宅支援事業にて勤務しております。
今回はパーキンソン病についてご説明したいと思います。
この記事をご覧になっている方は、パーキンソン病という病名を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
パーキンソン病は、神経難病の中で最も患者さんが多く、1817年にイギリスのジェームス・パーキンソンが最初に患者を報告しました。
厚生労働省の指定難病に認定された疾患です。
遺伝や環境の色々な要因が関連し、それら複数の条件が揃った場合に発症すると考えられています。
現在日本では、1000人に1人~1.5人くらいの割合でパーキンソン患者になると言われており、60歳以上では100人に約1人が発症、59歳以下と比べると10倍の割合でパーキンソン病になります。
高齢化に伴って患者さんは増加しています。
このパーキンソン病ですが、いったいどのような病気で、どのような症状なのか?
治療方法はどのようなものがあるか?
1. パーキンソン病関連疾患概要
パーキンソン病は広く認知されている疾患ですが、その関連疾患を合わせて、パーキンソン関連疾患といいます。パーキンソン病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症の3疾患の総称をパーキンソン関連疾患と呼びます。
これらは神経変性疾患(ゆっくりと進行する神経症状で明らかな原因がつかめない疾患)のひとつで振戦(しんせん・体の一部が振える)、筋固縮(手足や顔の筋肉がこわばる)、無動(動作がしにくくなる)、姿勢反射障害(安定した姿勢が保てない)などが生じます。
これらはパーキンソン病の4つの代表的な症状になります。
ゆっくりと少しづつ自立が困難な状態になっていきます。
2. 主な症状
1. パーキンソン病
●無動(動作がしにくくなる)、振戦(安静時に動作が振える)、筋固縮(手足や顔の筋肉がこわばる)、姿勢反射障害(安定した姿勢が保てない)の4大症状といわれる運動障害です。
2. 進行性核上性麻痺
●足元が見ずらくなる眼球運動障害、無動、筋固縮、姿勢反射障害などがあります。
●構音障害(発音がうまくできない)や嚥下障害(呑み込みがうまくできない)がみられます。
●軽度の認知症を合併します。
3. 大脳皮質基底核変性症
●無動、筋固縮、細かい動作ができない、指示された運動やまねができないがあります。
●認知機能が低下することもあるが、見当識や記憶力は消失しないことが多い。
4. 病気の重症度分類(ホーン・ヤール)
Ⅰ度(症状軽い) ➡ Ⅴ度(症状重い) に症状が変化していきます。
Ⅰ度 | 障害は身体の片側のみで、手足の震えや筋肉のこわばりなど出現する。日常生活への影響はほとんどない。 |
Ⅱ度 | 手足の震えや筋肉のこわばりなどぼ障害が身体の両側にみられるが、日常生活に介助は不要である。 |
Ⅲ度 | 小刻みに歩くなど明らかな歩行障害が現れ、バランスを崩し転倒しやすくなる。まだ介助なしで可能なレベル。 |
Ⅳ度 | 立ち上がったり、歩いたりの日常生活の動作が自力では困難になり、多くの介助が必要になってくる。 |
Ⅴ度 | 車椅子またはベッド上で寝たきりになり、日常生活では全面的な介助が必要である。 |
3. 原因
1. パーキンソン病
●我々の身体は脳の指令で動いています。中脳の黒質にあるドーパミン性神経細胞が破損してドーパミン(大脳皮質の指令を調節し、体の動きをスムーズにしているもの)が減少してしまい発症します。
2. 進行性核上性麻痺
●脳内の特定部位の神経細胞が減少し、神経原線維変化が出現し発症します。
3. 大脳皮質基底核変性症
●脳神経細胞内に異常なたんぱく質(リン酸化タウ)が蓄積することによって発症します。
4. 治療方法
◎パーキンソン病では、L-ドーパやドパミン受容体刺激薬などによる薬物療法が基本となります。外科的治療も行うが、対象となる症状は限定的です。
◎行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症ではL-ドーパがある程度効果を表します。
◎無動には抗コリン薬、抑うつ状態には抗うつ薬、筋肉の不随意運動には筋弛緩薬を用いることがあります。
5. ご家族、支援者(ケアマネなど)が把握するべきポイント
①四大症状(無動、振戦、筋固縮、姿勢反射障害)の程度 ➡ *ADLの自立度はどうですか? 日常生活にどの程度の支障がありますか?
また、排せつ障害、睡眠障害、抑うつ症状はないでしょうか?
ワンポイント
*ADL(Activities of Daily Living)とは、、、、直訳すると『日常生活動作』のことです。
具体的には、食事、排泄、入浴、整容、衣服の着脱、移動、起居動作(起き上がる、立ち上がる)などがあります。
そして、ADLと合わせてもう一つ覚えておきたいのが、IADLです。
*IADL (Instrumental Activities of Daily Livingとは、、、直訳すると『手段的日常生活動作』のことです。
具体的には、買い物、洗濯、掃除等の家事全般、金銭管理、服薬管理などがあります。
②本人の生活意向 ➡ 無気力だったり、無関心だったりしていませんか? 何か関心を持ったり原動力になる趣味などはありませんか?
③適切な服薬管理 ➡ オン・オフ現象や不随意運動などの副作用が出現した場合の対応や急な服用中止による悪性症候群の発生の可能性を理解します。
④早期のリハビリテーション ➡ 機能の維持や回復を図り、意欲を引き出す促しをしていきます。
6. 今日のまとめ
パーキンソン病の治療目標は”治す”のではなく”症状の緩和”が目的です。
一人一人の病状、生活状況に合わせた、ち密な内服調整が必要になりますので主治医に遠慮なく相談しましょう。
主治医に症状を伝えるためにも、病気の症状記録をつけると効果的です。
一日の中で症状が変動する場合など、内服時間と動きやすさの程度、不随意運動の程度、睡眠の状況などを時間ごとに記入し、受診の際に主治医にみせます。
薬を自己判断で急に中止することは、生命にかかわるので絶対にやめましょう!
病気や薬の理解を深め、いつも心身ともに健康的に過ごせるよう、心がけましょう。
今日はここまで。
引き続きよろしくどーぞ!
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