脊髄小脳変性症とは? 症状やリハビリ方法は?

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こんにちは、ふみーずステディです。

東京都江戸川区にて現役在宅ケアマネージャーとして単独居宅支援事業にて勤務しております。

 

今回は脊髄小脳変性症”についてご説明したいと思います。

脊髄小脳変性症とは*特定疾患の一つとして認定されている難治性の疾患です。

現在日本では、3万人を超える患者がいると言われていますが、遺伝性の方は約29%、孤発性(環境など遺伝以外の要因)の方が約67%と後者の割合が高いです

いったいどのような病気で、どのような症状なのか?治療方法はどのようなものがあるか?

読み進めて知見を深めていただければ幸いです。

 

*特定疾患とは、原因不明、治療法未確立で、後遺症が残る可能性が高く、慢性的に家族の経済的、身体的、精神的負担が大きい疾病として厚生労働省が指定した病気です。

 

65歳未満でも介護保険サービスが利用できる16種類の疾病にも該当しています。

 

 

1. 脊髄小脳変性症概要

脊髄小脳変性症とは一つの病気ではなく、運動失調症状をきたす病気の総称です。

脊髄や小脳の神経細胞が破壊され、小脳性運動失調ををきたす進行性の疾患です。

運動失調とは、筋力があるにもかかわらず、運動がスムーズにできず、バランスがうまくとれない状態です。例えば、字がうまく書けない、動作が不器用、手がふるえる、ふらつく、めまいがする、転びやすい、階段降りが困難になる、しゃべるときにろれつが回らない(構音障害)等があります。

 

歩行にふらつきがあるため、転倒防止のための住環境の整備や、運動療法を主体としたリハビリテーションなどを検討することが肝要です。

 

 

2. 主な症状

【小脳性運動失調】

運動障害 ➡ 体のバランスがとりずらい歩行がふらつく不安定手の震え筋肉のつっぱりやこわばりなどがあります。*パーキンソン症状

言語障害 ➡ 言葉のろれつが回らないなどがあります。

 

【自律神経障害】

●*起立性低血圧、*排尿障害発汗低下などがみられる。

 

起立性低血圧とは,急に立ち上がったり,急に動いたとき,または長時間立ち続けていたときなど,立ちくらみやめまいなどを起こして血圧が下がった状態です。

排尿障害とは、排出障害(尿をうまく出せない)や蓄尿障害(尿をうまく貯めれない)を言います。

 

 

3. 原因

遺伝性が原因のものと非遺伝性が原因のものがあります。

●遺伝性の多くは、原因遺伝子と遺伝子異常が判明しています。

●非遺伝性のものは、異常や病気のメカニズムが解明できつつあるようですが、原因不明な部分も多いようです。

 

4. 治療方法

①有効な根治的治療方法はまだ確立されていません。したがって対処療法(薬物療法やリハビリテーション)にて治療します。

②小脳性運動失調に対しては、TRH製剤(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン誘導体)が有効な場合があります。この薬は神経の働きを円滑にし体の動きをよくする働きがあります。

パーキンソン症状に対しては、抗パーキンソン病薬を用います。初期の段階では一定の効果があるといわれています。

*廃用症候群(過度な安静などによって生じる状態)予防のためのリハビリテーションを行います。回復を目的とするのではなく、現在残っている運動機能の『維持』と『残存機能の活用』です。残っている運動機能を活用し、維持するためのリハビリは有効だと言われています。

 

 

廃用症候群とは過度に安静にすることや、活動性が低下したことによる身体に生じた様々な状態をさします。

 

5. ご家族、支援者(ケアマネなど)が把握するべきポイント

①運動障害の程度 ➡ ふらつき歩行による転倒の有無や頻度はどれくらいありますか?

転倒や転倒リスクがあるようであれば、安全に移動できるよう住環境を整えます。

②運動失調によるADLの低下 ➡ ADLの自立度や、生活にどのような影響を及ぼしていますか?

③自律神経症状の確認 ➡ 便秘、排尿障害などの排せつに関しては障害はありませんか?

排尿障害に対しては服薬治療を行います。

④服用している薬剤の種類 ➡ 運動失調の対症療法として、甲状腺ホルモンの刺激剤が処方されていますか?また適切に服薬できていますか?

⑤食事摂取 ➡ 嚥下できていますか?誤嚥などの問題はないですか?むせ込むことはないですか?

⑥リハビリテーションの確保 ➡ 歩行訓練など運動機能低下予防のため、できるだけ身体を動かします。また、言語障害が見られる場合は言語訓練を行います。

⑦閉じこもりの防止 ➡ 排せつの失敗による外出機械の減少や閉じこもりを防止します。自尊心を傷つけないように配慮します。

 

6. 今日のまとめ

脊髄小脳変性症に罹患すると根治が難しい難病ですが、薬物療法やリハビリを継続的に行い症状を抑えたり、残存機能を維持したりしながら、できるだけ自立した日常生活を送っていくことが肝要です。

ゆっくりと徐々に進行していくので長期的に病気を向き合っていく必要があります。最終的には寝たきりや嚥下ができなくなって胃ろうが必要になってしまう場合があるので、介護や医療サービス、ご家族などの協力が必須です。

疾患の知識を本人や支援者は理解して対応していくことが大切です。

 

友の会の目的は、、、、
患者、家族の交流と親睦、またそれらを通しての有益な情報交換をはかる。
早期の原因究明と治療法の確立をはかるため、関係機関に働きかける。
病気の社会的認識を深める。

 

今日はここまで。

引き続きよろしくどーぞ!

 

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