ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは? 主な症状や原因、治療方法は?
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こんにちは、ふみーずステディです。

東京都江戸川区にて現役在宅ケアマネージャーとして単独居宅支援事業にて勤務しております。

 

今回は【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】についてご説明していきます。

国の特定疾患治療研究事業の対象疾患の1つで、『Amyotrophic Lateral Sclerosis』の略です。

運動の指令を伝える『運動ニューロン』の障害で、呼吸に必要な筋肉も徐々に衰えていきます。

 

1. ALS(筋萎縮性側索硬化症)の概要

運動を司る運動神経細胞が障害されるために脳からの運動指令が筋肉に届かなくなる疾患です。

原因不明で、全身の骨格筋が徐々に萎縮し、運動障害嚥下障害言語障害などを生じます。

進行性の疾患で、数年で四肢麻痺、摂食障害、呼吸困難を起こし、自立困難となります。

視力や聴力などの五感や内臓機能、知的機能などは保たれるのが特徴です。

 

2. 主な症状

●手指が動きづらくなり、肘から先の力が弱まり、筋肉が落ちることで始まることが多いです。

また、話しにくい、食べ物が飲み込みにくいという症状から始まることもあります。

全身の筋肉が落ちて、力が入らず、歩けなくなります

●のどの筋肉が弱まると、構音障害嚥下障害が起こります。

呼吸筋が弱まると、自力で呼吸ができなくなります

●進行しても、視力や聴力、内臓のはたらき、体の感覚などは保たれ、眼球運動障害や失禁も起こりにくい特徴があります。

 

3. 原因

●原因は不明(神経の廊下と関連があるといわれています)です。

●家族製のものでは、原因となる遺伝子がわかりかけているようです。

 

4. 治療方法

根本的治療方法はないが、進行を遅らせる作用のある薬リルゾールエダラボン)を使用します。

*リルゾール(主な商品名:リルテック):グルタミン酸の遊離を阻害する作用やグルタミン酸の受容体であるAMP型やNMDA型といった興奮性アミノ酸受容体への阻害作用などにより、神経細胞の保護作用をあらわすとされています。

*エダラボン(商品名:ラジカット):フリーラジカル消去による脂質過酸化を抑える作用により、神経細胞の酸化的障害を抑制する作用をあらわします。

●筋肉や関節の痛みに対しては、毎日のリハビリテーションを行います。

●嚥下障害には、嚥下食や口腔機能維持のために口腔ケアで対応します。

栄養管理の面では、胃ろうの増設を検討します。

●呼吸障害に対しては、呼吸リハビリテーションを行います。

また、気管切開や人工呼吸器の装着の検討を要します。

●終末期には、呼吸苦などへの緩和医療を行います。

 

ワンポイント

筋力低下はトレーニングで回復しません:ALSにおける筋力低下や筋萎縮は、トレーニングを行っても回復せず逆効果となります。

やりすぎると筋肉を痛めることになり、運動機能をさらに低下させるリスクがあります。

 

5. ご家族、支援者(ケアマネなど)が把握するべきポイント

言語障害、嚥下障害、呼吸障害の状況 ➡ 進行状況と日常生活にどのような支障が生じるか確認します。

言語障害への対応 ➡ コミュニケーション障害支援機器や意思疎通伝達装置(コンピュータ・マルチメディア、会話補助装置)などの医療機器の使用を検討します。

食事や栄養摂取への対応 ➡ 嚥下しやすい食事形態への工夫、胃ろうなどの経管栄養の検討を行います。

呼吸困難への対応 ➡ 呼吸困難がある場合は、鼻マスクや気管切開による呼吸補助、人工呼吸器(災害時の停電の対応)などの対応を検討します。

薬剤 ➡ 興奮性神経伝達物質、睡眠薬や精神安定剤、鎮痛剤などの服用はしていますか。

痛み ➡ 痛みを和らげるためのリハビリテーションや医療処置を確認します。

痛みの軽減、関節拘縮などの廃用症候群を防ぐために運動訓練を実施します。

社会参加 ➡ 若年期に発症した場合は、社会参加の方法を検討します。

 

6.  今日のまとめ

終末期には、呼吸も自立でできなくなってしまう難病ですが、必要なリハビリテーション、医療機器、服薬などを組み合わせて、介護者が支援しながら患者の生活を支えていくことが肝要です。

 

今日はこれまで。

引き続きよろしくどーぞ!

 

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