こんにちは、ふみーずステディです。
東京都江戸川区にて現役在宅ケアマネージャーとして単独居宅支援事業にて勤務しております。
今回は”排尿障害(尿失禁、頻尿、排尿困難、尿閉)”についてご説明いたします。
排尿は脳の神経に大きく影響を受けています。
神経系に異常が起こり、機能しなくなると尿が出ないなどの症状が現れます。
1. 排尿障害(尿失禁、頻尿、排尿困難、尿閉)の概要
排尿障害には、尿失禁、頻尿、排尿困難、尿閉などがあります。
排尿障害の種類に応じて対処方法や排泄用具を選択することが求められます。
2. 主な症状
【尿失禁】
・咳、くしゃみなど腹部に力が入ると尿が漏れてしまいます ➡ 腹圧性尿失禁。女性に多いのが特徴です。
・尿を出したいのに出せず、尿が少しずつ漏れてきます ➡ 溢流(いつりゅう)性失禁。男性に多いのが特徴です。
・急に尿意を感じて、トイレまで我慢できずに漏れてしまいます ➡ 切迫性尿失禁。
・排尿機能は正常だが、歩行障害などによってトイレまで間に合いません ➡ 機能性尿失禁。
【頻尿】
・日中に1日8回以上排尿します。夜に排尿のため2回以上トイレに起きてしまいます。
【排尿困難】
・排尿に時間がかかってしまう、腹圧を加えないと尿が出ない、残尿感があるなどです。
【尿閉】
・尿が全く出ません。下腹部膨隆(ぼうりゅう:腫れる)や激しい下腹部痛があります。
3. 原因
【尿失禁】
・腹圧性尿失禁:妊娠・出産、加齢による骨盤底筋の緩みによります。
・溢流性失禁:排尿障害であり、加齢による前立腺肥大によるものが多いです。
・切迫性尿失禁:特に原因がない場合が多いです。
・機能性尿失禁:身体運動機能(歩行障害)の低下や認知症によります。
【頻尿】
・過活動膀胱、多尿、残尿、膀胱萎縮、前立腺肥大、膀胱炎、心因性などがあります。
*過活動膀胱:膀胱が過敏になり、膀胱に尿がたまる前に収縮し、急に尿意を催します。
加齢や前立腺肥大、脳卒中、パーキンソン病などにより、起こりますが原因不明のものもあります。
【排尿困難】
・膀胱腫瘍、膀胱・尿道結石、前立腺肥大、神経因性膀胱、薬剤などがあります。
【尿閉】
・前立腺肥大が主な原因です。その他、腫瘍、結石、神経因性膀胱、薬剤などがあります。
4. 治療方法
【尿失禁】
・腹圧性尿失禁:骨盤底筋体操を行います。改善しない場合は手術療法を行います。
・溢流性失禁:原疾患の治療や薬物療法を行います。
・切迫性尿失禁:薬物療法を行います。
・機能性尿失禁:介護や生活環境の見直しを行います。
【頻尿・排尿困難】
・原疾患の治療を行います。
【尿閉】
・導尿を行います。その後は原疾患の治療を行います。
5. ご家族、支援者(ケアマネなど)が把握するべきポイント
●排尿障害の状況 ➡ 排尿障害の種類と疾患につながる状況や原因疾患はありませんか。
排尿のコントロールでは、水分の摂取量(飲水や食事)・時間と排尿量・排尿時間を把握し、排尿リズムを整えます。
●尿失禁の有無 ➡ どのタイプの失禁(腹圧性、溢流性、切迫性、機能性)であるか確認します。
●排尿方法 ➡ トイレなのか、ポータブルトイレなのか、尿器やおむつの使用はありますか。
おむつを使用する場合は、尿路感染や皮膚トラブルの予防に留意し、使用目的、形状、素材、吸収量、助成金の活用等を考慮します。
ポータブルトイレを使用する場合は、使用場所の住環境や使用のタイミングに留意し、安定感、高さ、背もたれや手すり等の調整、便座の保温や排泄物の処理、消音・消臭を検討します。
排尿用具は患者の自立度や障害の状況に合わせながら、活用を検討しますが、安易に導入しないよう心がけます。
●家族への負担軽減 ➡ 排泄介助やおむつ交換に伴い、腰痛や睡眠不足、慢性疲労などの身体的影響や用具の維持、管理にかかるコストの影響、介護のための休養や外出機会の減少など社会的影響に配慮します。
6. 今日のまとめ
排尿障害の治療には、薬物療法などの医療で治療する他に福祉用具の活用やご家族の負担軽減など、障害の種類や程度によって様々なアプローチが必要になります。
また、排尿障害を誘発する基礎疾患についても多数存在していますので、原疾患の把握が重要になります。
今日はこれまで。
引き続きよろしくどーぞ!
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