こんにちは、ふみーずステディです。
東京都江戸川区にて現役在宅ケアマネージャーとして単独居宅支援事業にて勤務しております。
前回は【東京23区内の居宅支援事業所の最大規模ランキング】を記事にしましたが、今回は【訪問介護事業所・ヘルパーステーション】の最大規模事業所を調査いたしました。
居宅支援事業所同様に職員を集めることができれば、青天井で拡大ができる事業が訪問介護事業です。
1. 安定運営できる訪問介護事業所の規模は?
私は、訪問介護事業運営畑での経験が長く、東京都、神奈川県、千葉県をまたいで7事業所を担当していました。
安定した運営を実現するためには、ある程度の職員数や利用者数を確保した事業所規模でないと容易に崩壊を招いてしまうと考えています。
以下が訪問介護事業所の最小規模の基準と考えます。
訪問介護事業所 最小規模の基準
【必要な最小事業所規模】 | |||
利用者数 | 100名 | 売上/月 | 400万円 |
サ責数(管理者兼務) | 3名 | 営業利益/月 | 80万円 |
非常勤ヘルパー | 20名 | 利益率 | 20% |
1訪問介護事業所の規模は100名、3名、20名以上が必要と考えます。
それ以下の規模になってしまうと人員的にも収益的にも不安定になります。
なぜ、利用者様と職員数で100名、3名、20名以上の規模の事業所が最小ラインとして定めているのか?
を次でご説明いたします。
最小規模を定める理由は?
訪問介護事業所は介護事業の中でも職員さんが働きたくない業種、不人気ナンバーワンです。
特にサービス提供責任者は不人気です。
残業や休日出勤が当たり前の事業で、家庭と両立することが難しい、プライベートの予定が立てられないこと、人事管理が非常に大変であることなどが挙げられます。
自分より年齢層の高いヘルパーさんが立場上は部下なので指導や育成しなければなりません。
経験や技術力、人間性、指導力、マネージメントの力が必要になります。
ケアマネや利用者様、ご家族の間に挟まれて、四方八方に気を使います。
精神的にもタフでないと勤まりません。
管理者はさらに気苦労が耐えません。
採用募集をかけても反響ないのは当たり前。
サービス提供責任者が離脱しようものなら、後任を探すのは至難の業です。
死刑宣告された気分になります。
サ責(サービス提供責任者)は訪問介護運営では肝となる存在です。
そのサ責を3人で固めることが、安定運営の第一歩となります。
開設してからしばらくは1人~2人のサ責で運営する時期を経ることになりますが、恒常的に2人のサ責で運営してしまうと、1人が離脱してしまったら、残り1人のサ責(管理者兼務)で運営することになってしまいます。
サ責1人で担当できる利用者数は40人までですが、ヘルパーさんの人事管理・育成・指導・研修実施、訪問サービス、営業、スケジュール調整、請求管理、訪問介護計画書の作成、利用者や家族のクレーム対応など全て1人で一手に引き受けなければならない状況になります。
こうなってしまってはダイヤモンドのように強度がある精神力や体力がないと長くはもたないでしょう。
しかしながらそこまでタフな人材はそう多くありません。
2人サ責運営の場合、お互いに馬が合わずに、人間関係が悪くなるケースもあります。
2人サ責体制だとさらに離脱してしまう可能性が高くなります。
3人のサ責であれば人間関係や互いのフォローなど厳しい環境の中でもがんばっていける確立が高まります。
もしも、1人サ責が離脱した場合であっても、暫定的に2人で運営は可能ですので即座の閉鎖という最悪の事態は回避できます。
その間に人材採用・人員確保の動きに取り組みます。
少人数運営だと利益率も低く、給与やボーナスを気前よく払えませんし、経営的にもシンドイ状態です。
そのような理由から最小規模は、利用者100名、サ責3名(管理者含む)、ヘルパー20名と考えます。
青天井の訪問介護事業だからこそ、安定した人員を確保、増員しながら運営していくことがとても重要です。
2. 東京都23区 訪問介護事業所ランキング
それでは本題に入ります。
ランキングを表にしたのでご覧ください。
自治体ごとの最大訪問介護事業所
ranking-houmon
補足
◎総職員数=事業所に所属している管理者、サ責、ヘルパーの総数
◎常勤=所属している常勤職員数(主にサ責、常勤型ヘルパー)
◎非常勤=所属している非常勤職員数(主に登録型ヘルパー)
◎平均担当者数=総職員数で割った平均利用者数
大半の事業所のビジネスモデルは事務所の営業時間は9:00~18:00で訪問サービスの稼動は365日稼動しています。
緊急時は携帯電話などで連絡が受けられる体制にしているはずです。
ランキングに掲載されている足立区の”ヘルパーステーションめいしょう”さんは自社運営しているサービス付き高齢者などにヘルパーさんを派遣するビジネスモデルも兼ねているようなので常勤型の職員が多いようです。
北区の”西が丘”さんは24時間体制で夜間の訪問介護も対応しているようです。
やはり常勤比率が大きいですね。
常勤職員が多い事業所は、サ責だけでなくヘルパーも常勤雇用にしている可能性が高いです。
また、最近では常勤職員比率を高くしてしっかり利用者様のシフトの密度を高めて運営している会社も増えてきています。
fa-arrow-right当データは東京都の情報公表サイトから抜粋いたしました。
介護保険サービスを利用したい方が、サービス事業所を選択できるよう支援している情報サイトです。利用者が望む条件を入力し検索すれば該当事業所を調べることができます。ハートページのウェブ版のようなイメージ。
【公表までの流れ】
①各事業所は直近の事業所情報を都道府県に報告
②都道府県は内容を審査
③都道府県はホームページに事業所情報を掲載
3. 今日のまとめ
150名前後の利用者を安定的に維持すれば自治体内で最大事業所規模が視野に入りそうです。
そうなれば人員的にも収益的にも安定してくるはずです。
時間はかかるかもしれませんが、150名~200名の事業所規模は目指したいものです。
しかしながらサ責やヘルパーの確保は容易ではありませんが、質の担保をするための育成体制を欠かさずに、しっかりと営業活動も行いながら、まずは最小規模の100名の利用者獲得を目指してください。
今日はこれまで。
引き続きよろしくどーぞ!
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