こんにちは、ふみーずステディです。
東京都江戸川区にて現役在宅ケアマネージャーとして単独居宅支援事業にて勤務しております。
今回は【ヘルニア(鼠径ヘルニア)】についてご説明していきます。
ヘルニアとは、腸管や脂肪が、腹壁に生じた欠損部を通じて飛び出す状態のことです。
そして、左右の太腿の付け根部分に発生するヘルニアの総称を『鼠径ヘルニア』といいますが、腹部に生じるヘルニアの約80%は鼠径ヘルニアです。
1. ヘルニア(鼠径ヘルニア)の概要
鼠径(そけい)ヘルニアは、本来おなかの中にある腹膜や腸の一部が鼠径部の間などから皮膚の下に出てくる病気です。
俗に脱腸とも言われています。
2. 主な症状
●初期では、立ち上がったときや腹部に力を入れたときに、太ももや脚のつけね(鼠径部)に柔らかい腫れができるが、指で抑えると引っ込むことが多いです。
●鼠径部に何か出てくる感じがあり(腸が脱出してくるので『脱腸』と呼ばれています)、次第に不快感や痛みを伴うようになります。
●腫れが急に硬くなったり、押さえても引っ込まなくなったりすることがあり、腹部が傷んだり嘔吐したりします(ヘルニアの嵌頓)。
この状態になると、急いで手術しなければ、命に関わります。
*嵌頓:それまでは横になったり軽く押すと元の一に戻っていた腸が、飛び出したまま戻らなくなる状態で、救急での受診が必要です。
医師の手でも脱腸を戻せない場合は、緊急手術となります。
3. 原因
成人の場合は加齢により筋膜などが弱くなることが原因で、特に40代以上の男性に多く起こる傾向があります。
職業や生活との関係が指摘されていて、重いものを持ち上げたり運んだりする職業の人、便秘症の人、肥満の人などは要注意です。
・外鼠径(間接)ヘルニア:鼠径靭帯の上で、外側から象徴などが出てくるもので、高齢者に多く見られます。
・内鼠径(直接)ヘルニア:鼠径靭帯の上で、内側から象徴などが出てくるもので、高齢者に多く見られます。
・大腿ヘルニア:鼠径靭帯の下から大腿管という管を通って小腸などが出てくるもので、出産経験の有る中年以降の女性に多く見られます。
嵌頓を起こしやすくなります。
4. 治療方法
●手術以外に治療方法はないが、短期入院で痛みも少ない方法が普及しています。
●食物繊維の摂取や運動により便通をよくし、肥満を予防します。
●くしゃみや咳をするときは、腹圧がかからないように注意します。
5. ご家族、支援者(ケアマネなど)が把握するべきポイント
●発症しやすい作業の職業歴 ➡ 重たいものを持ち上げたり運んだりする仕事や立ち仕事など、腹圧がかかるような作業の職業に就いていたことはありませんか。
腹圧がかかるような姿勢を取るときは痛みに注意します。
●鼠径部の状況 ➡ 太ももや脚の付け根の下腹部の違和感や腫れはないですか。
●誘発要因 ➡ 便秘症や前立腺肥大の疾患はないか、咳やくしゃみを頻繁にするか、肥満はありませんか。
●日常生活 ➡ 症状の出現による日常生活の支障はないでしょうか。
●生活習慣 ➡ 喫煙者禁煙します。
●食生活の見直し ➡ 食物繊維の多い食事を取る、水分を十分に取る、排便の週間をつける、腹部を温める、腸をマッサージする、適度な運動をする、ストレスをためないなど、便秘・肥満を解消するような食生活にします。
●早期治療・早期治癒 ➡ 初期は痛みなどの症状も少なく、幹部の場所から『恥ずかしい病気』のイメージが有り受診をためらう人が多いが、進行すると生死に関わる重篤な状況を招きかねないため、早期治療を行います。
6. 今日のまとめ
鼠径ヘルニアは自然に治ることはなく、有効な薬や運動療法もないため、手術のみが根治する治療方法です。
多くの方が多忙や羞恥心を理由に積極的な治療をためらっていると考えられます。
しかしながら、鼠径ヘルニアを放置すると、5%程度の確率で嵌頓することがあり、その場合には緊急手術が必要となりますので決して油断はできない病気です。
今日はこれまで。
引き続きよろしくどーぞ!
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