こんにちは、ふみーずステディです。
東京都江戸川区にて現役在宅ケアマネージャーとして単独居宅支援事業にて勤務しております。
今回は”痰(たん)の吸引”についてご説明いたします。
本来であれば、気道内に痰が溜まった場合や、誤嚥により異物が入った場合には防御反応が働き、異物を体外に出そうとして咳が出ます。
しかしながら、加齢に伴い体力の低下、意識レベルの低下、寝たきり状態、麻痺など後遺障害や嚥下障害があったり、気管切開や気管内挿管をしている場合、手術後等、様々な原因によって、咳や咳払いが自力でできなくなったり、口腔内に溜まった唾液を飲みこむことが困難になることがあります。
このように、自力で痰を出すことができなくなってしまうと医療ケアにより痰の吸引が必要になってきます。
1. 痰の吸引の概要
痰の吸引は、痰、唾液、鼻汁などを自分の力で十分に出せない場合に、吸引器などを使って吸い出すことです。
吸引は技術が必要なので医療従事者やご家族など医療従事者から指導を受ける必要がありますが、呼吸を楽にし、肺炎などの感染症を予防するためにも必要な行為です。
吸引の種類には、鼻腔内吸引、口腔内吸引、期間吸引があります。
医師や看護師でなくても、一定の研修を受けた介護福祉士や介護職員は、一定の条件(医療や看護との連携による安全確保が図られているなど)の下で痰の吸引を行うことができます。
【鼻腔内吸引】
鼻の穴から吸引カテーテルを入れる方法です。
カテーテルを鼻に入れる際に無理やり押し込むと粘膜が傷つくことがありますので、角度を調整したり、左右の鼻の穴を変えたりします。
【口腔内吸引】
口から吸引カテーテルを入れる方法です。
カテーテルで喉の奥をつつくと吐き気を催すので注意します。
また、口腔内に出血や傷がないか注意します。
【気管吸引】
気管切開をしている場合に気管カニューレ内に吸引カテーテルを入れる方法です。
気管カニューレ周囲に出血やびらんがないか、気管内に出血や損傷がないか注意します。
吸引の方法
たん吸引器について
吸引器は、自動と手動があり、購入することもレンタルすることも可能です。
吸引カテーテルは使い捨てなので継続して購入が必要になります。
*カテーテルの太さを表す”Fr(フレンチ)”という記号がありますので注意します。
2. 対象者
加齢や体力低下、病気によって呼吸や嚥下機能が進行して自力で痰を出すことが困難になった場合や、気管切開、人工呼吸器を使用している人が対象となります。
3. 注意点
家族などの主介護者が吸引手技を習得する必要があります。
吸引を行う介助者は、感染予防のため、器具や環境の清潔を保つように心がけます。
吸引の前の手洗いを徹底し、使用後の吸引カテーテルや接続管は水を通して洗浄し、接続管内に水が残らないよう乾燥するなど、器具の徹底管理が必要となります。
また、緊急連絡先(訪問看護、在宅医など)を確認しておきましょう。
4. 今日のまとめ
自力で痰を出すことが困難になった方に対して行う痰の吸引は医療行為に該当するので、各医療スタッフの専門性を十分に活用して、患者・家族・関係者・介護スタッフなどの各関係者がチームとして目的と情報を共有します。
医師等による指示やアドバイスを受けながら、医療スタッフ間との連携を一層深めて対応していくことが肝要です。
今日はこれまで。
引き続きよろしくどーぞ!
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