ケアプランの軽微な変更とは?厚生労働省が示す9つの具体事例と担当者会議が不要なケースを現役ケアマネが解説

同業者向け執筆・監修現役ケアマネジャー(介護支援専門員・介護福祉士)本ページはアフィリエイト広告を利用しています

 

こんにちは、ふみーずステディです。

東京都内にて在宅ケアマネジャーとして居宅支援事業にて勤務しております。

 

今回は『居宅サービス計画(以下ケアプラン)の変更』に伴って行わなければならない一連の業務について記事にいたします。

やるべきことが抜けてしまったり、知らなかったから履行していなかったとなると実地指導や監査で厳重注意、またはお金の返還などの事態に発展しかねません。行政区によって考え方、解釈、ルールが異なりますので確認が必要ですが、厚労省の発表をもとに記事にいたしますので判断の根拠にできることは間違いありません。

 

1. ケアプランの変更・更新が必要になるタイミング(原則と例外)

ケアプランの変更や更新が必要になるタイミングは、主に次の3つです。

  • サービスの追加を含むサービス内容が変更になった時
  • 介護目標期間が切れる時
  • 介護保険認定期間の更新時

ケアプラン変更時は原則的に、アセスメント → サービス事業所を招集 → 担当者会議開催、この一連の流れが必須です。

(アセスメントにかかる時間を短くする工夫は、アセスメントを時短するコツにまとめています。)

しかしながら、例外もあります。

今回のテーマに挙げる「軽微な変更」に該当する場合は、担当者会議を含む一連の業務を割愛できるとされています。

 

では「軽微な変更」とは具体的にどんなケースを指すのでしょうか?

 

冒頭でもお伝えしていますが、注意点としては、自治体によって解釈やルールが異なるということです。

自治体どころか「地域包括支援センター」毎に解釈やルールが異なる場合があります。

ケアマネ業をやっている方は少なからず「この包括とあの包括で言っていることが違くない??」というご経験があるのではないしょうか?

 

これから述べる「軽微な変更」については考え方としてとらえていただき、自己責任にてご判断いただきますようお願いいたします。

とは言っても【個々の利用者様の生活に必要と判断したサービス】は、専門職として自身を持って根拠を述べていただくことが肝要です。

【介護保険制度に係る書類・事務手続きの見直し】VOL.155 H22.7.30 厚生労働省老健局振興課
*3ページをご覧ください。軽微変更の解釈が記載されてます。

2. 【軽微な変更】の考え方(9項目を1つずつ解説)

それでは厚労省の発表した【軽微変更の定義】を引用しながら〈解釈〉をくわえて解説してまいります。

 

以下の①~⑨は『軽微変更』と考えられるために一連の業務は割愛できることになります。

しかしながら各自治体により解釈が異なったり、介護保険法の改定によって対象外となる場合があるのであらかじめご了承ください。

注:①の文章内にある青字の注意書きは②~⑨の考え方にも適用されます。

① サービス提供の曜日変更

利用者の体調不良や家族の都合などの臨時的、一時的なもので、単なる曜日、日付の変更のような場合は「軽微な変更」に該当するものと考えられる。

”なお、これはあくまでも例示であり、「軽微な変更」に該当するかは、変更する内容が同基準第13条第3号(継続的かつ計画な指定居宅サービス等の利用)から第11号(居宅サービス計画の交付)までの一連の業務を行う必要性の高い変更であるかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである。”

*判断した根拠を行政に明確な説明できるかどうかがポイントになってきます。

 

<解釈>

事業所都合は含まれない利用者や家族の都合、すなわちサービス提供側からの曜日変更は含まないという解釈ができるでしょう。

 

② サービス変更の回数変更

同一事業所における週一回程度の利用回数の増減のような場合には、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。

 

<解釈>

週に1回程度とありますので2回も含まれる解釈ができそうです。

ケアプランの2票に頻度を記載する項目がありますが、『週1回』などと断定せずに『週1回程度』と記載すれば週に2回でも該当するといえるでしょう。プラン作成時に回数の増減が予測される際は特に『〇回程度』と記載すれば柔軟な解釈が可能です。

 

③ 利用者の住所変更

利用者の住所変更については「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。

 

<解釈>

転居によって物理的に間取り図が異なり、必要な福祉用具が変更になるなどのサービス内容が変更になる際は担当者会議含む一連の業務が必要です。

 

④ 事務所の名称変更

単なる事業所の名称変更については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。

 

<解釈>

サービス内容が変わらないので担当者会議含む一連の業務は不要なのでしょう。事業所番号が変更になる場合は自治体によって異なる場合があるので確認が必要です。

 

⑤ 目標の期間延長

単なる目標期間の延長を行う場合(ケアプラン上の”課題”や”期間”など目標設定を変更する必要がなく、単に目標設定期間を延長する場合など)については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。

 

<解釈>

毎月のモニタリングで利用者の状況を把握する前提で、サービス内容の変更がなければ、短期目標期間の延長は認められると考えます。

長期目標の期間が該当してしまうと一連の流れが長期間行われないため、長期目標延長の場合は一連の流れ(アセスメント・担当者会議)を行う方が好ましいでしょう。

 

⑥ 福祉用具で同等の用具に変更するに際して単位数のみが異なる場合

福祉用具で同一種目のおける機能の変化を伴わない用具の変更については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。

 

<解釈>

比較的頻繁に発生する事例ではないでしょうか。

ケアプラン上は『車椅子』や『手すり』など種目名を記載するので同一種目であれば単位数が異なっても影響ないと思われます。

 

⑦ 目標もサービスも変わらない単なる事業所変更

目標もサービスも変わらない(利用者の状況以外の原因による)単なる事業所変更については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。

 

<解釈>

④に類似する変更かもしれませんが、A訪問介護事業所からB訪問介護事業所に変更になった時など解釈できるのではないでしょうか。

ただしサービス内容が変更なく事業所のみ変更の場合です。

 

⑧ 目標を達成するためのサービス内容を変わるだけの場合

第一票の総合的援助の方針や第二票の生活全般の解決するべき課題、目標、サービス種別等が変わらない範囲で目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの場合、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。

 

<解釈>

東京都内の場合は、サービス内容が変更になる場合は、担当者会議含む一連の業務が必要です。ローカルルールがあるので各対象自治体や包括に確認したう上で判断するようにしてください。

【居宅療養管理指導】のみ追加になるケースでも一連の流れが必要な自治体もあるので注意しましょう。

 

⑨ 担当介護支援専門員の変更

契約している居宅介護支援事業所における担当介護支援専門員の変更(但し、新しい担当者が利用者はじめ各サービスの担当者と面識を有していること。)のような場合には、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。

 

<解釈>

東京都内の場合は、ケアプランの担当者名を訂正して各関係事業所に訂正したケアプランを送付すれば「軽微変更」としてとらえることができます。

しかしながら、地域包括支援センターによって見解が異なることがあるので確認が必要です。

 

3. 軽微変更とサービス担当者会議の関係性

基準の解釈通知の通り、「軽微な変更」に該当するものであれば、担当者会議の開催など、必ずしも実施されなければならないものではない。

しかしながら、ケアマネ-ジャーがサービス事業所へ周知したほうが良いと判断されるような場合などについて、サービス担当者会議を開催することを制限するものではない。

(開催する場合の準備と進行を軽くする方法は、サービス担当者会議を効率化するコツをご参照ください。)

開催にあたっては、基準の解釈通知に定められているように、「やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定」される。

 

① サービス『利用回数の増減』によるサービス担当者会議の必要性

単なるサービスの利用回数の増減(同一事業所における週一回程度のサービス利用回数の増減など)については、「軽微な変更」に該当する場合もあるものと考えられ、サービス担当者会議の開催など、必ずしも実施しなければならないものでもない。

しかしながら、例えばケアマネージャーがサービス事業所へ周知したほうが良いと判断されるような場合などについて、サービス担当者会議の開催を制限するものではなく、その開催にあたっては、基準の解釈通知に定めているように、やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定される。

 

② ケアプランの軽微な変更に関するサービス担当者会議の『全事業所招集の必要性』

ケアプランの「軽微な変更」に該当するものであれば、サービス担当者会議の開催など、必ずしも実施しなければならないものではない。

ただし、サービス担当者会議を開催する必要がある場合には、必ずしもケアプランに関わるすべての事業所を招集する必要はなく、基準の解釈通知に定めているように、やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定される。

 

4. 軽微な変更の対象となる具体事例(厚生労働省通知の9項目)

厚生労働省は、介護保険最新情報 Vol.959(令和3年3月31日)で、「軽微な変更」に該当する場合がある例として次の9項目を示しています。通知が付けている条件と、現場での具体例をあわせて整理します。

 

① サービス提供の曜日変更

  • 通知の条件:利用者の体調不良や家族の都合などによる、臨時的・一時的な曜日や日付の変更
  • 例:体調不良で、今週だけ月曜のデイサービスを水曜に振り替える

 

② サービス提供の回数変更

  • 通知の条件:同じ事業所で、週1回程度の利用回数を増やす・減らす
  • 例:同じ訪問介護事業所の利用を週2回から週3回にする

 

③ 利用者の住所変更

  • 通知の条件:利用者の住所が変わるだけの場合
  • 例:同じ保険者(市区町村)の中で転居し、サービス内容は変わらない

 

④ 事業所の名称変更

  • 通知の条件:単に事業所の名前が変わるだけの場合
  • 例:運営法人の社名変更で事業所名が変わったが、運営内容は同じ

 

⑤ 目標期間の延長

  • 通知の条件:課題や目標を変える必要がなく、目標の設定期間を延ばすだけの場合
  • 例:短期目標の内容はそのままで、期間を3か月延長する

 

⑥ 福祉用具で同等の用具に変更(単位数のみが異なる)

  • 通知の条件:同じ種目の中で、機能が変わらない用具に替える場合
  • 例:同じ機能の歩行器を、単位数の違う別の機種に替える

 

⑦ 目標もサービスも変わらない単なる事業所変更

  • 通知の条件:利用者の状況以外の理由による、事業所だけの変更
  • 例:事業所の都合(撤退・人員不足など)で、同じ内容の訪問介護を別の事業所に替える

 

⑧ 目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの場合

  • 通知の条件:第1表の総合的な援助の方針や、第2表の課題・目標・サービス種別などが変わらない範囲
  • 例:同じ目標のまま、訪問介護の中での支援内容の順番や手順を調整する

 

⑨ 担当介護支援専門員の変更

  • 通知の条件:同じ事業所の中での担当変更で、新しい担当者が利用者や各サービス担当者と面識がある場合
  • 例:同じ事業所内で担当ケアマネが交代し、後任がすでに同行訪問などで顔を合わせている

 

通知では、これらはあくまで例示とされています。軽微な変更にあたるかどうかは、ケアプラン作成の一連の業務(運営基準第13条第3号〜第12号)を行う必要性の高い変更かどうかで判断します。9項目に当てはまっても、利用者の状態に大きな変化があった場合は通常の変更プロセスが必要です。判断に迷うときは、保険者(市区町村)に確認しておくと安心です。

出典:厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.959 居宅介護支援等に係る書類・事務手続や業務負担等の取扱いについて」(令和3年3月31日)。2026年9月26日確認。

 

5. 軽微な変更で「済まない」ケース

以下は「フルプロセスのケアプラン変更が必要」なケースです。混同しないよう注意してください。

 

  • サービス種類の追加・削除(訪問介護→デイサービス追加など)
  • 新規事業所の追加(種類が違う場合)
  • 介護度の変更
  • 本人・家族のニーズ変化に伴う長期目標の変更
  • 退院・退所に伴うサービス全面的な見直し
  • 区分支給限度額の大きな変更

このうち介護度の変更は、区分変更申請から動くことになります。申請のタイミングを誤ると、かえってご本人・ご家族に負担がかかることがあります。私自身の失敗も含めて、こちらにまとめています。

 

6. 軽微な変更時の事務処理フロー

軽微な変更でも、必要な事務処理は確実に行う必要があります。

 

必要な書類・記録

  1. 支援経過記録への記載(変更理由・経緯・関係者の意向)
  2. 変更後のケアプラン票(2票・3票)の更新
  3. 利用者・家族への説明と同意(口頭でも可、記録に残す)
  4. サービス事業所への通知(FAX・電話・メール等)
  5. 給付管理票の変更(必要に応じて)

(帳票の更新と記録の手間を減らす工夫は、帳票・実績入力を時短する方法とモニタリングシートを効率化するコツにまとめています。)

 

判断前の必須プロセス:保険者への確認

保険者の見解を確認しましょう
「軽微な変更」と自己判断する前に、お住まいの保険者(市区町村)の解釈を確認してください。

主要自治体の参考情報:

各保険者のホームページや、ケアマネ向けの集団指導資料に解釈基準が記載されていることが多いです。

 

担当者会議の省略可否

担当者会議省略の判断基準

軽微な変更であれば、担当者会議を省略できるのが原則です。

ただし、以下の場合は担当者会議を開催すべきです:
・関係事業所間の連携・情報共有が必要なケース
・利用者の状態に変化があり、複数事業所のアセスメントが必要なケース
・サービス内容に影響が出る可能性があるケース

迷った時は「念のため担当者会議を開催」するのが安全です。

 

事務処理を早く正確に回すには、「軽微な変更」の記録や支援経過の書き方のひな形を手元に置いておくと迷いが減ります。私も文例集は机に常備しています。


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7. 監査・実地指導でチェックされるポイント

 

監査での確認項目

ケアプランの変更に関する監査では、以下が確認されます。

  • 変更の理由が明確に記録されているか
  • 利用者・家族への説明と同意の記録があるか
  • 軽微な変更の判断が妥当か(厚労省通知の枠内か)
  • サービス事業所への通知記録があるか
  • 給付管理票との整合性

(実地指導への備えを含めた業務全体の見直しは、ケアマネの業務効率化|残業を減らす10の実務術が一覧になっています。)

 

監査で問題になりやすいパターン

  • 「軽微な変更」と判断したが、実はフルプロセス必要なケースだった
  • 支援経過記録の記載が曖昧・不十分
  • 利用者の同意記録がない
  • サービス事業所への通知が遅れている

 

迷った時の判断指針

現役ケアマネからのアドバイス

私が現役ケアマネとして実務でお伝えしているのは:

「迷ったら、フルプロセスで対応する」

軽微な変更で済ませることのリスクと、フルプロセスで対応する負担を比べると、監査・利用者トラブルのリスクを避ける方が長期的に得です。

特に新人ケアマネは、最初の半年〜1年は「念のためフルプロセス」が安全。経験を積んで判断基準が身についてから、適切に省略していくのがおすすめです。

 

8. 今日のまとめ

前述したプランの軽微変更の場合は、担当者会議を含む一連の業務は必ずしも必要ではないと謳っています。これは本来時間を費やすべく自立支援のために”一連業務を割愛して労力を削減しても良し”とする厚生労働省の配慮の形ではないでしょうか。

しかしながら、各自治体に追っては厳しく解釈したり、担当職員によっては回答がまちまちだったりするので、我々自身で”解釈”して書類の整備や一連業務を定義化しなければならない状況です。

特に特定事業所加算を取得している居宅支援事業所は、手本となる事業所でなくてはならないので、自身の事業所を厳しい目で見る必要があると考えます。

 

世の流れは事務作業を削減していく形になりつつあるので今後に期待したいと思います。

 

運営指導(旧・実地指導)で確認される書類や手順の全体像は、次の本に図解でまとまっています。2023年2月刊で令和6年度改定より前の内容を含むため、最新の基準は厚生労働省の通知とあわせて確認してください。

 

今日はこれまで。

引き続きよろしくどーぞ!

 

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