こんにちは、ふみーずステディです。
東京都江戸川区にて現役在宅ケアマネージャーとして単独居宅支援事業にて勤務しております。
今回は【若年性認知症】についてご説明していきます。
平成21年の厚生労働省の調査によると、18-64歳人口における人口10万人当たり若年性認知症者数は、47.6人であり、有病率は約0.05%程度の結果が出ています。
平成21年の厚生労働省の調査結果。
1. 若年性認知症の概要
65歳未満の人が発症する認知症を総称して若年性認知症といいます。
進行のスピードが早く、早期発見・早期治療が重要です。
働き盛りの年代に発症するので、本のみならず家族の負担も大きく、包括的な支援が必要となります。
*高齢者の2倍の速さで進行:若年性認知症は40歳の場合、高齢者に比べて2倍以上の早さで病気が進むとされています。
初期の段階で受診し、早期発見・早期治療につなげることが大切です。
2. 主な症状
【アルツハイマー型】
・ごく初期には、頭痛、めまい、不眠、不安感が生じます。
やがて記憶障害が始まり、意欲、自発性が減退します。
・行動障害が生じて、人とのコミュニケーションが取れなくなります。
・けいれん発作、食事が困難、歩行障害などが生じ、やがて寝たきりとなります。
【脳血管性型】
・脳の損傷を受けた部分により、症状が異なります。
・低下した機能と、維持している機能が共存します。
・記憶障害、言語障害などが見られるが、人格や判断力は保たれます。
【前頭側頭型(ピック病)】
・身の回りのことに関心がなくなります。
怒りっぽくなるなどの人格障害が生じてきます。
・進行するにつれて、記憶障害や言語障害が現れます。
・末期には人格障害や行動障害はみられなくなり、無動・無言状態となります。
3. 原因
●アルツハイマー型認知症、ピック病、レビー小体型認知症などがあります。
●脳血管障害、頭部の外傷による脳障害があります。
また薬物やアルコール依存もあります。
4. 治療方法
●原因や症状によって異なるが、周辺症状(BPSD)への対処方として、抗精神薬や抗不安薬などの薬物療法が行われます。
5. ご家族、支援者(ケアマネなど)が把握するべきポイント
●認知症状によるADL低下や意欲低下 ➡ 日常生活の自立度はどれくらいでしょうか。
●食事内容の隔たり ➡ 栄養バランスの良い食事であるか、食欲はあるか、自分で食事を摂ることはできますか。
●喫煙・飲酒の有無 ➡ 喫煙や多量の飲酒の習慣はありませんか。
●運動量 ➡ 日常的な活動量や運動量はどれくらいでしょうか。
●家族関係と経済状況の確認 ➡ 若年期での発症は収入面で困窮の可能性があります。
●家族の身体的・精神的・経済的支援を検討 ➡ 家族の負担軽減や経済的負担の軽減のために制度を活用します。
●就労や生活の中での役割 ➡ 本人の役割を明確にし、生活意欲を引き出します。
また、残存機能を活かし、自分でできることは自分で行います。
●適切な服薬管理 ➡ 認知症進行遅延の薬、抗精神薬、睡眠薬などの服薬状況の確認をします。
6. 今日のまとめ
若年性認知症は65歳未満の働き盛りの世代なので、ご本人だけの問題ではなく、ご家族の生活への影響も大きく社会的に大きな課題となります。
ご本人や配偶者なそが現役世代であり、仕事に支障がでたり、仕事をやめざるおえなくなってしまい、経済的に困難な状況になってしまいます。
子どもが成人していない場合には、親の病気が与える心理的影響が特に大きく、教育、就職、結婚などの人生設計が変わることになりかねません。
さらにご本人や配偶者の親の介護が重なることもあり、介護の負担が大きくなります。
若年性認知症は社会的にも大きな問題となりつつありますが、企業、医療・介護の現場でもまだまだ認識が不足している現状があります。
今日はこれまで。
引き続きよろしくどーぞ!
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