こんにちは、ふみーずステディです。
東京都江戸川区にて現役在宅ケアマネージャーとして単独居宅支援事業にて勤務しております。
今回は”腸閉塞(イレウス)”についてご説明いたします。
腸管が詰まって食べ物やガスが通らなくなる病気です。
高齢者で食事量が減少し、腹部の膨満、腹痛などがあるときは、腸閉塞の可能性を考えます。
1. 腸閉塞(イレウス)の概要
腸閉塞では、腹痛、嘔吐、腹部膨満などの症状が起こりますが、ときには急激に状態が悪化して重篤な全身症状を引き起こすことがあるため、早期に適切な処置が必要となります。
急変時の対応も含めて支援体制をつくりましょう。
2. 主な症状
●突然、激しい腹痛(きりきりとした強い痛みを繰り返す)と吐き気・嘔吐が起こります。
腹部が張り、やせた人では腸が動くのが外から見えることもあります。
●吐物は、最初は胃液や胆汁だが、進行すると小腸や大腸から逆流してきた腸の内容物となり、下痢便のような色をして便臭を伴うようになります。
●便やガスが出なくなります。
●絞扼性腸閉塞(腸だけでなく、腸間膜も圧迫されたりねじれたりする腸閉塞)では、激しい腹痛が途切れることなく続き、顔面蒼白になり、冷や汗や冷感が見られ、ショック状態になります。
3. 原因
●開腹手術により腸と腹壁、腸どうしに癒着が起きて、腸が折れ曲がったり、ねじれたり、他の腸が圧迫されたりすることで起こります。
●薬剤の作用によって腸のはたらきが低下して起こることがあります。
●脱腸の一種である大腿ヘルニア、腸が自然にねじれて詰まる腸捻転が原因となります。
●高齢者の場合、便秘により起こることがあります。
●大腸がんの進行に伴い起こります。
4. 治療方法
●食事や飲水を中止し、胃腸を休め、十分な補液を行います。
●腸の張りが強い場合は、鼻から腸まで管を入れ、腸の内容物を吸い出します。
●上記の治療を1週間以上続けてもよくならない場合や、何度も腸閉塞を繰り返す場合は手術を行います。
●絞扼性腸閉塞の場合は、即時、開腹手術を行います。
5. ご家族、支援者(ケアマネなど)が把握するべきポイント
●食事 ➡ 食事内容に隔たりはありませんか。
固いもの、繊維質の多いもの、刺激物、冷たいものは避けます。
また、食後は安静にする時間を作るようにします。
●生活習慣 ➡ 飲酒・喫煙の習慣を改善いたします。
●十分な睡眠 ➡ リラックスして入眠できる睡眠環境を整えます。
●便秘になりやすい薬の服用 ➡ 咳止め薬、抗がん剤、不整脈用剤、血圧降下剤、カルシウム拮抗薬、抗うつ薬、向精神薬、抗てんかん剤などの常時服用はありませんか。
また、服用や適度の運動により、排便を促します。
●開腹手術の有無 ➡ 手術後に腸の癒着が起こり、腸が折れ曲がったりねじれたりして腸が詰まる場合があり、腸閉塞を起こしやすくなります。
●体を冷やさない環境 ➡ 腹部の冷えは誘発原因になり、手術後も冷えやすいので、体を温める環境を作るようにします。
●身体状況 ➡ 嘔吐、吐き気、激しい腹痛により、食欲が低下したり、これらの症状の出現に伴う日常生活の支障はありませんか。
●急変時の対応 ➡ 病院の受診や救急車の陽性など緊急時の対応を決めて、関係者間で共有します。
6. 今日のまとめ
大腸がんによる閉塞や、高齢者で便秘傾向のある人は注意が必要です。
自然に治ることはないので、早めに受診できるよう働きかけるようにしましょう。
今日はこれまで。
引き続きよろしくどーぞ!
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